加熱するブラウザシェア争い

~ Firefox3.6、Google Chrome4リリース

Vol. 391 2010/01/29

佐藤 慎一郎

先日、米Net Applications社から2009年12月のブラウザシェアが発表されましたが、Internet Explorerがシェアを減らし、ほかのブラウザがシェアを伸ばすという傾向が続いています。

▲ 「2009年12月
 ブラウザシェア」

注目すべき点として、ブラウザ別シェアでChromeがついにSafariを抜いて3位についたことがあげられます。こ のところChromeの成長は著しく、昨年11月の段階でも大きな成長をみせてSafariのシェアに近接してきていました。ブラウザバージョン別にみる と11月の段階ですでにChrome3がSafari4.0のシェアを抜いていましたが、次月にはブラウザ全体でみてもSafariを越えるシェアを獲得 しました。

そして、年が明けた2010年1月21日にはFirefox3.6が、1月26日にはChrome4が新しいバージョンとしてリリースされました。 今回のニュースでは、今後シェアを伸ばしていくことが予測されるこの二つのオープンソースブラウザの新機能を紹介していきたいと思います。

 ●Firefox3.6

まずFirefox3.6の特徴をいくつか挙げていきます。

・高速化

ブラウザのパフォーマンスを劇的に向上させる新しい JavaScript エンジン「TraceMonkey」にさらなる改良が加えられ、Firefox史上最速となっています。Firefox3.6は、Firefox3の3倍 以上、前バージョンのFirefox3.5と比較しても20%以上の高速化を実現しています。

▲ 「Personas Gallery」

・Personas (ペルソナ) で Firefox を“着せ替え”

従来のブラウザテーマに加えて、再起動することなくワンクリックでデザインを切り換えられる「Personas」という新しい機能が追加されまし た。シンプルな背景からカラフルな模様、風景や季節の画像まで、40,000種類以上の多彩なテーマを気分や好みに合わせて選べます。企業やアーティスト の公式テーマも続々登場しているようです。

・プラグインチェックツール

セキュリティ関連では、インストールされているプラグインの状況を確認する「プラグインチェックツール」を搭載しました。安全性や安定性に問題のあるプラグインを検出した場合には警告を表示し、配布元から最新版をダウンロードできるようになっています。

・GPKIルート証明書の同梱

日本政府のGPKI(政府認証基盤)に対応し、GPKIが「信頼されたルート証明機関」としてFirefoxの証明書データベースに登録され、電子政府システムの利用に際してルート証明書のダウンロードやインストールを行う必要がなくなりました。
 これにより、電子政府システムの利用者は、ルート証明書をダウンロード、インストールするなどの手間が省け、よりスムーズに電子政府サービスの提供を受けることが可能となります。

このほか、フォームの省入力機能、HTML5/CSS3への対応強化、ダウンロードフォントでのWOFF(Web Open Font Format)への対応、加速度センサーAPIへの対応などを行っており、Windows 7にも正式に対応しました。

 ●Google Chrome4

Chrome4の大きな特徴は、ブラウザの拡張機能と、ブックマークの同期機能に正式対応したことです。

・ブラウザの拡張機能

▲ 「Google Chrome Extensions」

ブラウザの拡張機能は、これまでベータ版という位置づけで公開していたものです。Firefox同様に、アドオンのイン ストールを通じてユーザーの任意でChromeの機能を強化できます。一般の開発者が作成した拡張機能を公開できる「extension gallery」というWebサイトも用意しており、既に1500を超える拡張機能がダウンロードできるようになっています。

・ブックマークの同期

ブックマークの同期は、会社や自宅など複数のパソコンでGoogle Chromeを利用するユーザー向けの機能です。いずれかのパソコンでChromeのブックマークに変更を加えると、その内容がインターネット経由で別の パソコンのChromeに反映されます。この機能を利用するには、Googleのアカウントを取得する必要がありますが、複数の端末を利用するユーザーに とっては画期的な機能といえます。

また、JavaScriptの動作速度も向上しました。米MozillaのJavaScriptベンチマーク「Dromaeo DOM Core」のテストでは、一世代前のバージョン3に比べて42%速くなったという報告がされています。また開発者向けの改良点として、HTML5への対応 もさらに強化されました。

 ●加熱していくブラウザシェア争い

今回のバージョンアップで、Firefoxも高速化を実現したものの、Chromeはさらにそれを越える高速化を実現していることがわかります。

事実、ユーザーがブラウザに対して最も求めている機能は「動作の軽さ」で、その点で優位に立つChromeはユーザーからも評価されているようです。
 アイシェア社の調査によると、Chromeは乗り換えてみたいブラウザの1位にランクされています。

一方Firefoxもコードネーム「Lorentz」と呼ばれる安定性向上のための更新を3月までにリリースしたいと考えているようです。

Internet Explorerがほとんどのシェアを占めていた時代から、近年オープンソースのブラウザが勢力を伸ばしてきましたが、今後そのスピードがより加速していくことも予測されます。

PAGETOP