企業のドキュメント管理

〜オープンソースで安価に使える文書管理ツールWEKO

Vol. 399 2010/06/14

竹内 雅哲

企業が保有するドキュメント(電子ファイル)は、指数関数的に増えています。すべての(またはほとんどの)文書を物理的に紙の文書として管理していた時代に比べて、電子ファイルの管理は、非常に楽になったと言えましょう。しかし、その反面、電子ファイルの形で保存される情報が爆発的に増えている中で、紙の文書を物理的に管理するのとは別の難しさや課題が見えてきます。

●電子ファイル管理の課題

WEKOオフィシャルうぇぶサイト

企業内で電子ファイルが大量に作られるようになって、最も大きな問題の一つは、データが個々の社員の端末に保存されることでした。電子ファイルを一元管理するために、フロッピーディスクやCDといった可搬型媒体にコピーして管理したり、ファイルサーバーを立ててそこにデータを集積するといった管理が行われるようになります。現在は、多くの企業がファイルサーバーを導入して、社内の電子ファイルをそこに一元管理するというモデルを取り入れています。また、情報セキュリティ上の観点から、個々の社員の端末に極力データを残さない運用は、上場企業などの大企業では、当たり前、多くの中小企業でも行われるようになりました。フォルダへのアクセス権限を管理することによって社内の情報統制も実現されています。
ここまでは今回のテーマではありません。今回のテーマは、特に多くの社員で共有しているフォルダやファイルに関連するものです。ファイルサーバーに保存されるファイルは、日々増加します。そこで起こる問題は、欲しいファイルがどこにあるのか、わからなくなってしまう、ということです。個人のフォルダの中であればまだしも、折角社内で共有しているファイルがどこにあるのかわからなくなって、それを探し出すのにとても時間がかかってしまうといったことは、多くの方々が経験されていることと思います。文書管理のルールを社内でしっかり徹底して運用すれば、そうしたことも少なくなるとも言えますが、そうした管理に慣れている社員とそうでない社員がいることはごく普通のことですし、そもそもルールを運用することがコストだとも言えます。
ドキュメント管理は、経営課題として一般的にあまり優先的に扱われませんが、折角共有されている文書を有効に活用するため、また、社員がファイルを探すのに使っている無駄な時間を削減するため、と考えれば、実は重要な課題ではないでしょうか?

●ドキュメント管理のソリューションWEKO

ドキュメント管理のソリューションは、すでに様々なものが存在します。しかし、機能が豊富で高価なものも多く、手軽に導入できるものが少ないのが現状です。大きなコストをかけずに、シンプルにドキュメント管理できるものはないでしょうか?そこで、お薦めなのが、今回ご紹介するWEKOです。
WEKOは、国立情報学研究所が開発したオープンソースのレポジトリシステムです。そもそもは、学術的な研究成果などのレポジトリ用に作られたもので、総合研究大学院大学や情報処理学会、人工知能学会で利用されています。一方、企業に導入されるケースも、社内ユースのみならず、文書の公開サイト用に利用されるなどのケースも出てきており、今後企業での利用が期待されるシステムです。
WEKOは、スワヒリ語で「レポジトリ(貯蔵庫・倉庫)」を意味しています。IT用語としては、レポジトリは、データやプログラムなどが体系づけられて保管される場所やシステムのことを指します。開発者の国立情報学研究所 学術ネットワーク研究開発センター(コンテンツ科学研究系)山地一禎准教授は、文献だけでなく研究成果(中間的な成果も含む)などがどんどん共有されるような学術社会を作りたいという願いを込めて開発している、と仰っています。こうした開発者のアプローチからも、現代の企業内で求められる情報共有に使えそうだということが伺えます。

●WEKOの機能

WEKOデモサイト

WEKOの機能はとてもシンプルです。
ドキュメントは、

  • アイテムタイプと呼ばれるカテゴリー(メタデータセット)で分類され
  • インデックスツリーと呼ばれるフォルダにわけて

登録することができます。
ユーザは、登録されているドキュメントを、

  • キーワード検索
  • ツリーからのディレクトリ検索
  • ランキング検索

することができます。
その他、以下のような機能があります。

  • 登録ワークフロー
  • ドキュメント間のリンク(関係性)登録
  • 簡単なアクセス権限管理
  • ログ解析

キーワード検索は、ファイルの内容を全て対象にした全文検索です。文書体系を作るのが面倒だという場合は、まずは、全文検索機能だけを使って、検索可能なドキュメントレポジトリとして使うというのがお薦めです。文書体系は後から作ることもできますし、各ドキュメントの概要文などのメタデータも後から登録するということも可能です。弊社キャッチボール21では、ドキュメントを一括アップロードする際に、ドキュメントの内容の文頭の一部を概要文として登録する機能を持つアップローダーを使っていますので、このようなアップロードを行えば、自動的に概要文を登録するといったことも可能です。

●WEKOをお薦めする理由

WEKOをドキュメント管理のソリューションとしてお薦めするのには、いくつかの理由があります。

  • オープンソースであること
    国立情報学研究所が無料で提供するオープンソースですので、システムのライセンス費用や購入費用などは一切必要ありません。適切なサーバーを用意するためのサーバー購入費用、多少のカスタマイズが必要であればカスタマイズ費用、導入・運用支援のコンサルティング費用程度で導入することができます。
  • WEBブラウザで使える
    WEBブラウザで使えるというのが、ユーザビリティの観点からは大きなメリットだと言えます。誰もが使うブラウザのインターフェイスで利用できるからです。また、文書をWEB上で公開するためには、WEBブラウザでの利用は必須です。
  • シンプルであること
    高機能で高価なソリューションとは違って、レポジトリとして非常にシンプルな構造になっているため、かえって使いやすいものになっています。検索して、メタデータを参照して、ダウンロードする、というシンプルな使い方です。
  • 検索スピードが速い
    実績ベースで、60GBのデータの検索を100分の数秒で検索できるという結果を得ています。検索エンジンのパフォーマンスは、非常に高いレベルを維持しています。

ソリューションに高価なものが多く、なかなか手をつけられないドキュメント管理という課題、WEKOを使って手軽に実現してみませんか?
キャッチボール21が提供するWEKOに関するサービスについては、こちら

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