CMS入門

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CMS入門

〜 CMSとは何か? そして、CMSのタイプ

Vol.387 09/11/26

コンテンツマネジメントシステム(CMS)は、10年以上前から存在しましたが、この2、3年でやっと認知度が上がっており、最近では、企業のウェブサイト担当者であれば、CMSという言葉を知らないということはなくなってきています。しかし、日本の企業におけるCMS導入率は、欧米に比べてまだまだ非常に低く(昨年のインプレスの調査では、企業の導入率は、わずか5%)、わが国におけるCMSの普及はこれからと言えます。そのような状況下、CMSとは何か、またCMSで何ができるのか、どのようなものがあるのか、については、まだまだ正しい理解が普及しているとは言いがたい状況です。これは、我々のようなウェブ制作・構築業者の啓蒙活動が足りていないことが大きな要因の一つのように思われます。
今回は、CMS入門と題して、CMSとは何か、CMSにはどのような種類があるのか、について解説します。


●CMSとは?

ウェブサイトをHTMLファイルとそれに付随する画像ファイルやプログラムファイルなどの集合体として構築するのが従来の方法で、現在も多くのウェブサイトがその方法で構築されています。しかし、ウェブサイトの規模が大きくなると、管理コストが増大し、ちょっとした更新も工数がかさんでしまうことがあります。そこで、CMSが導入されます。
例えば、Yahoo!JapanやAmazonなどのサイトは、膨大なコンテンツを管理していて、これらのページを1ページずつ作成しているわけではないことは誰の目にも明らかです。こうした大規模サイトのコンテンツは、CMSで管理されています。
CMSとは、ウェブサイトをファイルの集合体ではなく一つのシステムとして管理します。そのシステム上で、コンテンツとなるテキストや画像、動画などをデータベースで管理すると同時に、レイアウトや色、大きさ、フォント、形状など、いわゆるLook and Feel(見え方や操作性)を別途管理して、全体の管理を最適化しています。そのような管理をすることによって、コンテンツには全く手をいれずに、テンプレートを変更するだけで、サイト全体のデザインリニューアルを行なう、といったことが可能になります。大規模サイトには不可欠な管理方法ですし、コンテンツによっては、ページ数が100を超えたら導入を検討すべきでしょう。
一方、個人が使うブログもCMSの一種です。ブログを使ったことがある方は、デザインを瞬時に変えるといったことを実際に経験されていると思います。これは、サイト全体を一つのシステムとして管理し、コンテンツをデータベースで管理しているから出来ることです。ちなみに、最近流行っているTwitterは、コンテンツを管理する視点で作られたものではないので、CMSとは言い難いでしょう。 では、よく使われるCMSには、どのような種類のものがあるでしょうか。弊社では、大きく分けて、三つのタイプがあると考えています。


●ブログエンジン型CMS

▲ 「WordPress」
個人の日誌をウェブ上に公開する(ブログ)ことを目的に作られたブログエンジンです。よく使われているものには、Movable Type、WordPressなどがあります。入力のインターフェイスは、非常にシンプルですが、裏を返せば、表現の自由度が限られる、ということになります("ブログっぽい"画面になってしまう)から、企業サイトに利用するには、表現上の工夫が少し必要です。Movable TypeもWordPressも、そうした工夫のためのツールが多く存在し、多くの企業がブログを使ってサイト運営をしています。日本では、企業が使うCMSとしては、こうしたブログエンジンが先陣を切ったといってよいでしょう。Geeklogなどは、もともとブログエンジンでしたが、機能を拡大して現在は汎用のCMSに進化を遂げました。
ブログエンジンは、導入が楽ですが、もともと個人のブログ用ですので、編集権限の管理機能などは、次の二つのタイプに比べると比較的弱いと言えます。


●コミュニティサイト型CMS

▲ 「NetCommons」
コミュニティサイトを構築するためのプラットフォームとして作られたものです。よく使われているものには、XOOPS、NetCommonsなどがあります。コミュニティサイト、つまり、多くの人々が参加する参加型のサイトを念頭に置いた作りになっていますので、編集権限や閲覧権限などを細かく管理することができます。このようなCMSは、企業サイトよりも社内のイントラネットの構築に利用されるケースが多いように思われます。参加型ですから、それぞれのユーザや部署がそれぞれ情報を発信して、組織内で共有するというイントラネットを構築するプラットフォームとしては最適だと思われます。
これらのCMSが広報用のコーポレイトサイトやブランドサイトに用いられにくいのは、コンテンツをPublish(公開)するための承認のフローなど、情報統制の機能が比較的弱いことに起因します。

※SNS(ソーシャルネットワークシステム)のOpenPNEなどもコミュニティサイト系CMSと言えますが、OpenPNEは、コンテンツではなく人やネットワークを管理するシステムであると標榜していますので、敢えてこの中に含めませんでした。


●エンタープライズ型CMS

▲ 「eZ Publish」
企業が情報を公開するため、という企業サイト本来の目的のために作られたものです。日本では、Fatwire、NOREN、WebReleaeなどの商用CMSがよく使われていて、最近は、OpenCmsや弊社もパートナーであるeZ Publishなどのオープンソースも注目されつつあります。
これらのエンタープライズ型のCMSは、情報統制の観点を持っている点で企業サイト向けと言えます。編集権限や閲覧権限を細かく管理することはもちろんのこと、編集から承認、公開、削除などのフローをシステム上で管理したり、コンテンツをバージョン管理したりすることもできます。


このようにCMSにはいろいろなタイプがあり、またその中でもいくつものシステムが存在します。漠然とCMSを導入するのではなく、それぞれの現場でのニーズや用途を明確にした上で、どのようなタイプのどんな特徴をもったCMSを選択するか、がとても大切です。

日本では、CMSというと、ウェブサイトの更新作業を効率的にする、という捉え方がまだまだ主流です。ウェブサイトのWhat's Newを簡単に更新するための仕組みをCMSと呼ぶケースもあるようです。非常に広義に捉えれば間違いではありませんが、CMSの本来の価値からするとそれらをCMSと呼ぶべきではないかもしれません。
欧米では、CMSをウェブサイトを公開するコンテンツを管理するシステムとして、ブランドマネジメントの一環として捉えています。日本でもこうした認識を持っていかないと本当の意味でウェブをビジネスに生かすのは難しいかもしれません。

- [ 竹内 雅哲 ] -

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